モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#12 SWOT分析で業界研究!

  • 2012年01月17日

 まずSWOT分析に目を付けた。
(SWOT分析は最初に教わったフレームワーク。これ、基本中の基本だよね)
 モリリンはホワイトボードに田んぼの田を描き、4つのハコにそれぞれ「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」と書き込んだ。続けて、ハコの上には「プラス要因」「マイナス要因」、ハコの左には「内部要因」「外部要因」という区分を記した。
(香織先輩は、SWOTは会社の自己分析に使える、って言ってた。ってことは、就活の時の企業研究にも……使ったことないけど。 ん? 企業研究じゃなくて、ライバル研究かな? 競合他社と自社の比較ができそう……かな?)
 とりあえず書いてみることにした。まずはやってみること。間違っていたら直せばいい。この思考も、企画部の頼れる先輩、篠崎香織から学んだことだった。
(そういえば、新人の時は間違えるのが怖かったかな……)
 そこに神田が帰ってきた。
「森下さん、面白いネタをさ……ん? それ、なんだい?」


SWOT

to be continued

モリリンは『28歳の仕事術』pp46-50で「SWOT分析」を学んだみたいです。

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#11 フレームワークを整理する?

  • 2011年12月30日

 電話のコール音が響く。
「はい。企画部ダイノス……いえ、企画8課、森下です。ええ。分かりました。資料を再送します」
 神田は取材と称して、朝から席を外していた。
(この部署、わたしひとりだけでいいのかな……と、空き時間でフレームワークを復習しちゃお)
 企画8課では、研修ソフトの企画開発と並行して、2年前に大ヒットした恋愛シミュレーションゲーム『You Are Not Alone』、通称『ゆあろん』のスピンオフを手がけることとなっていた。
(ま、ゼロから考えなきゃいけない研修ソフトに比べたら、『ゆあろん』の仕事はそれほど難しくないけどね)
 キーボードをカシカシと打ち続ける。ブラインドから西日が差しこんでいた。
(よし。今日はとりあえずここで終わり! ではでは)
 彼女は先輩に習ったフレームワークを、ひとつひとつホワイトボードに挙げた。『SWOT分析』、『MECE/ロジックツリー』、『ブレインストーミング』、『PoC』、『ホールプロダクト』、『4P4C』……6つ目を書き終え、マーカーのキャップをしめた。
(まずは香織先輩に教わったやつだよね。この中で、就活する時にやっといた方がいいことを整理できるフレームワークって、どれかな……)

to be continued

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#10 整列乗車?

  • 2011年12月23日

 これをやれば絶対に内定! なんていう手法はない。シブチンにそう伝え、駅前で別れた。
(やれば絶対に内定、はないけど、やっといた方がいいことってたくさんある。これって研修ツールに……いや、学生に研修っておかしい気がするし。そもそも『重機兵ヴァンザム』のプラモデルを作りたいからバルカン社に応募するって、どうなのかな……)
 帰宅ラッシュでホームには人があふれていた。
――「電車まいりまぁす。黄色い線の内側にぃ、お下がりくださぁい」
 目の前に並んでいる女子高生のスクールバッグに、小さな妖精のフィギュアがくっついていた。『トラフェア』こと『トランシルヴァニアンフェアリィ』のファンクラブ会員限定グッズだ。手にあるべき杖はなく、透明なはずの翼は少し濁っていた。
――「危ないですから、下がってくださぁい」
 発車ベルの音が響き、自分が乗るはずだった車両のドアが閉じられた。
(わたしも、『トラフェア』を作りたかったから……でも、やりたいことがやれるなんて……うぅ、ごちゃごちゃしてきた……)
 気がつくと、ホームには次の列車を待つ列ができている。
(もしかして、フレームワークで、整理できるかもしれない……!)

to be continued

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#9 SPIは何を見てる?

  • 2011年12月21日

「SPIは点数のバランスじゃなくて、仕事に対する姿勢……?」
「点数のバランスももちろん大事だよ」
 シブチンは納得していないようだ。
「計数も言語も両方できないとダメってことですか」
「できないとダメっていうか……SPIは計画的に作業ができるかどうかを見てるんだよ。前もって勉強しておけば、それなりに点数が取れるはず。問題集も、解説サイトもたくさんあるし」
「計画的……ですか」
「例えば言語より計数の点が悪いっていうのは、企業から見たら”こいつ数学が苦手なんだな”じゃなくて、”こいつ準備ができないヤツなんだな”ってこと」
「でも、一夜漬けで勉強して点数取れれば……」
「そりゃまあ、点数取れればいいかもしれないけど、そんな危ない作業はダメだよ」
「危ないってのは?」
「一夜漬けで書いた新製品の企画書を持ってくるのと、1ヶ月かけて準備した新製品の企画書を持ってくるのって、どっちがいいと思う? その次に別の作業を振ることも考えて」
「……ちゃんと準備した方が、いいです」
 シブチンはグラスの水を飲みほした。
「さっきも話したかもしれないけど、選考って結局のところ、”こいつと一緒に働きたいな”って思えるかどうかだから」

to be continued

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#8 SPIは何点取れば?

  • 2011年12月19日

 シブチンはモリリンの言葉をノートに整理している。
(そういえば、就活ノート作ったなぁ……もう3年前か)
 就活の開始時期や選考方法が違っているようだが、基本的な段取りは変わっていないようだ。
「あ、モリリン先輩、もうひとつ聞いていいですか」
「うん」
「SPIってあるじゃないですか。あれって、何点くらい取ればいいんですか?」
「え?」
「自分、数学が……計数でしたっけ、苦手なんですけど。プラモデル開発だったら、言語より計数ができた方がいいのかなって。先輩、実際のところどっちが重要なんですか」
「プラモデル開発で、言語より計数……えと、それって」
 新人の時にやり遂げた仕事、恐竜型プラモデル『ダイノス』のリメイクで、計数なんて意識したことがない。企画の仕事で確立やら集合やらを使うことはないように思える。
(仕事には関係ないけど、点数は高い方がいい、ってことかなぁ……わたしが使った問題集を勧める? 問題を解くことって、それなりに勉強すれば……)
「シブチン、SPIって、問題集を買って勉強すれば計数も言語もそれなりに……」
 そこまで言いかけて気がついた。
「SPIは点数のバランスよりも、仕事に対する姿勢を見てるんだよ」

to be continued

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#7自己分析で仲間になれる?

  • 2011年12月17日

「企業も勇者と同じ。仲間にしたい学生を選ぶ。うちのパーティに魔法使いを入れたい! って思ったら、使えそうな魔法使いを探す」
 シブチンは真剣な目つきを見せる。
「で、学生側としてはね、自己分析をすれば、自分が戦士か魔法使いか、それくらいはわかるかな。それがシブチンの言ってる向き不向き」
「はぁ」
「魔法使いっぽい学生はたくさんいるわけ。でも、攻撃系の魔法使いばっかりのパーティにしてもバランス悪い。しかも、その魔法使いは戦ったことないから、使えるかどうかも分からない」
「確かに……そうですね」
「企業が書類選考や面接で考えてる向き不向きって、”こいつ、攻撃系魔法使いっぽいけど、そのうち回復系にもなりそう”とか”戦士っぽいけど、さっきの奴よりこいつの方がやる気ありそう”とか、そういうこと。これって企業が考えることなんだよ。だから、さっきも言ったけど、自分の思い込みで選択肢を減らさないこと」
「はい」
「いまのシブチンは魔法使いなのか戦士なのかわからない。まだ酒場にもたどり着いてない。まずは自己分析して、自分はこういうやつです! こういう魔法が使えます! って言えるようにしないとね」
「まずは自己分析……」

to be continued

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#6自己分析は何のため?

  • 2011年12月15日

 自己分析をやる意味はあるのか? 改めて考えると、とても難しい問いだった。
 シブチンから視線を逸らすと、スーツ姿の男性の姿が目に入った。彼はオーダーを済ませると、携帯型ゲームをカバンから取り出した。有名RPG『オラクル・クエスト』のリメイク版だろう。
「……シブチンさ、RPGってやる?」
「あ、はい。好きです」
「『オラクエ』のリメイクが出たよね」
「あ、『オラクエ』やってます。でも、モリリン先輩のとこじゃないですよね。すみません」
 『オラクエ』は大手ゲーム会社のソフトだが、妙に気遣ってくれたようだ。
「気にしないでいいよ。わたしも買ったし。あれ、冒険の途中でさ、酒場とかで旅の仲間を探すよね」
「そうですね」
「その仲間……自分のパーティに加えたいキャラって、どういう風に選ぶ?」
「どうって、職業とかレベルとか見たり、攻略サイト見たり」
「なにか比べたりしない?」
「比べる……比べますね。特技とかレベルとか。あと、使える魔法とか」
「自分が仲間にしたいキャラをじっくり比べて選ぶよね」
「そうですね。仲間にしたら使えなかったってキャラもいるけど」
「それが企業の新卒採用と、自己分析の意味」
「え、どういうことですか?」

to be continued

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#5自己分析で向き不向きがわかる?

  • 2011年12月13日

 (自分の強み弱みは自分で整理できるけど、仕事の向き不向きは企業が考える……ちょっと、ごちゃごちゃしてきた……)
 とりあえず、思ったことを丁寧に伝えることにした。
「あのねシブチン。”この仕事向いてそう!” は考えていいけど、”この仕事向いてなさそう!”は考えちゃダメ」
「え? どういうことですか? 仕事の向き不向きは企業が考えるんですよね。学生が考えても無駄ってことじゃ……」
「えと、大事なのは、自分の思い込みで選択肢を減らさないこと」
 シブチンの顔には明らかに???が並んでいる。
「たとえば、ExcelわからないからIT系はダメ、話すのが下手だから営業は向いてない、英語が苦手だから外資は無理、とか」
「すごいダメダメな感じですけど」
「いま言ったことは、そりゃまあ、できないよりはできた方がいいけど、それだけであきらめちゃダメ。Excelがわからなくてもプログラムは書けるし、話すのが下手でも説明はうまいかもしれないし、外資系でも日本のお客様だったら英語使わないし……今の時点では苦手でも、内定取ってから、入社してから勉強すればいいこともたくさんあるよ」
「うーん……じゃあ、自己分析って何のためにやるんですか」

to be continued

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#4 仕事の向き不向きって?

  • 2011年12月12日

「え、自己分析やって、自分のことを知れば……そしたら、自分に向いてる仕事とか、わかるんじゃないんですか」
「うーん、ちょっと待ってね……」
 そういえば自分が学生の時にも、目の前のシブチンと同じことを考えていた気がする。妖精のドールハウス『トラフェア』の仕事をやりたかった。それがいちばん向いていると思ってた。でも、恐竜型プラモデル『ダイノス』の仕事は、やってみて、いや、やらせてもらえて本当に――
「あのね、自分に向いてる仕事なんて、ないよ」
「え?」
「やったこともない仕事に向いてるかどうかなんて、誰にもわからないからね」
「じゃあ……」
「自己分析は自分を整理するためのもの。向き不向きとは別」
 シブチンは腕を組んで悩み始めた。
「じゃあ先輩、プラモ好きで、ブログにアップして、結構コメントもらってたりするのは……」
「自己アピールには使えるかもしれないけど」
「向いていないってことですか?」
「そうじゃなくて。好き嫌いや強み弱みは自分で整理して考えられるけど、向き不向きは企業が考えるってこと」
「自分では強みとかって思っててもダメですか。そしたら強みとか弱みとかって、整理しなくてもいいような……」

to be continued

モリリンの腹黒ゲーム開発[就活編]
#3 自己分析のやり方って?

  • 2011年12月11日

「自分のことを知るって、やっぱり自分史ってやつですか。自分、そんなにスゴイ経験、ないんですけど」
 シブチンは自分なりに調べてきたらしい。
「自分史は基本だよね。他にもいろいろあって……」
 マーカーを探してしまったが、喫茶店にホワイトボードはない。ミスコピーした書類の裏側に、有名な自己分析の手法を書き連ねた。

自分史 ひとりでできる。誰もが通る定番。
マインドマップ ひとりでできる。整理しないで書き出してみること。
他己分析 ひとりではできない。自分では気付かないところがあったり。
R-CAP ひとりでできる。有料。考えていなかった職業に出会ったり。

「友達に自分を分析してもらう、他己分析がおススメかな。ゼミの仲間とやるといいよ」
「サークルじゃなくて、ゼミですか?」
「うん。サークルの友達はお互い知りすぎてるでしょ? ゼミの仲間って、毎日一緒にいるわけでもないし、意外な一面を見つけてくれるかも。サークルでは宴会部長で盛り上げ役でも、ゼミでは副ゼミ長でツッコミ役とかね」
 シブチンは腹落ちしたようだ。
「これで、自分が向いてる仕事が見つかるわけですね!」
「ちょ、ちょっと待って。そういうわけじゃないよ」

to be continued